先日、中国と日本の貿易に15年間携わっている方と、ガッツリ話す機会がありました。
中国籍のその方は、やわらかい表情とは裏腹に、語気はかなり力強くて「バリバリの貿易マン」オーラが体から発せられていたよ。
◇ ◇ ◇
会話の内容はズバリ『日本と中国の不動産市況』。
中国の土地相場や、現在の不動産を取り巻く環境の話、興味深く聞かせていただきました。
僕は知らなかったんだけど、中国の土地に「所有権――その不動産を自分の資産とする権利」はほとんど無いそうです。
どこを見ても、土地は「国」の所有。
あらゆる家は、国から借りた土地の上に建っているといいます。
それを僕に話した上で、氏は僕の提示した、ある東京の不動産物件の地価・建物価格を人民元に換算してみせました。
同時に、中国の物件価格を日本円に換算します。
パチパチパチっ。
電卓をたたくと、
出てきた数値は、東京も中国もほぼ一緒。
つまり、『東京と中国の実際的な不動産価格はほぼ同じ』だと言うのです。
◆ ◆ ◆
東京と中国の不動産価格はほぼ同じ――
ここで着目すべきは、前述の「中国の土地に所有権は無い」ということ。
要するに、
『日本で自分の資産となる土地+建物を買う価格』と、
『中国で土地を借りる権利+建物を買う価格』はほぼ同価格で、
自分の資産とならない分、
土地を自分のものにできる東京より、自分の土地にならない中国のほうが不動産は割高じゃないか!!…と氏は言うのです。
その上でさらに、氏は問います。
「同じ価格の不動産があったら、中国と東京、どっちの不動産を買う?」
僕は答えます。
たぶん、世界的にも多数派であろう答え、
「東京です」。
「でしょ!?」氏は僕の答えに満足気です。
「東京と中国が同じ価格なハズないんだよ!」
「だって中国では、土地は付いてこないんだよ!?」
「それなのに、東京と中国がずっと同じ値段のワケないよ」
「東京のほうが盛えてるし、土地も買えるし」
「だから中国の不動産は、これから必ず下落する!」
「東京と同じ価格でいられるハズはない!中国の不動産は、これから必ず下落する!!」
◇ ◇ ◇
「へー!」と僕は言いました。
目からウロコだったんです。
目からウロコって、「中国の不動産は値下がりする」なんて結果に驚いたワケじゃないよ。
その論理のプロセス、メソッド、それに感心させられました。
内容がどこまで合ってるのかわからないし、そもそも言ってることにも裏付けは無いし、なんか言ってる内容はハチャメチャだけど、
こういった東京と中国の国際通貨間での不動産価値の比較法は初めてだったので、僕は目からウロコだったのです。
いやー、いろんな考え方があるんだねぇ〜。
◇ ◇ ◇
よーく考えると、疑問に思う内容ばかりです。
東京と中国の不動産を単純に比べられるのか――
「借地」が一般である中国では、借地であっても所有地と同じ価値が認められているんじゃないか――
そもそも本当に中国は「借地」ばかりなのか――
っていうか「中国」だなんて、そんな大雑把に言われても…――
ツッコんで疑問を挙げればキリが無いです。
でも、ここで大事なのはきっと、「合っているか・間違っているか」を追求することじゃないと思う。
大事なのはたぶん、「多角的な考え方を持つこと」、だよね。
各国のエコノミストたちは、実にいろんな角度からの切り口を持ってるんだろうなぁ。
そのうちまた、そういう人たちと話してみたいなぁ。
中国の貿易屋さん、僕の小さな世界を少しだけ広げてくれて、どうもありがとうでしたっ!